飛鳥配列導入に至る

〈BackSpaceキー〉が遠いと思ったことはありませんか? - 空理空論『猫まねき』の使い方 - 空理空論の続き


ぶっちゃけローマ字入力ってタルいよね?

ローマ字入力ウザスと思った俺だが、かな入力というのも辛そうだと思った。なにより四段目のキーまで使わなければならないのが嫌だった。そこはどう考えても遠すぎるだろうと。
で、色々調べているうちにわかったのが、キーボードの入力方式にも色々な選択肢があるということ。なかでも日本語入力に関しては、昔のワープロ時代に開発された「親指シフト」というものが非常に使いやすいという話を聞いた。NICOLAというヤツである。
これはどういうものかというと、スペースバーの近傍、ちょうど両親指で押しやすい位置に、「左親指シフト」キー、「右親指シフト」キーを置き、キーボードの状態を「無シフト状態」「左親指シフト状態」「右親指シフト状態」の三面に区分して扱う。これによって、キーボードの四段目までを使わずとも、無理せず指の届く範囲ですべてのカナを扱うことが可能になった。これは専用機に実装された仕様であったが、現在でもエミュレーターを使用して通常のキーボード上で実現することができる。
で、自分もさっそく導入して試してみたのが、なんとなく使いづらかった。ソフトの反応があまり良くなく、誤入力が頻発しとても使い物にならなかったのだ。
「なんとかならんかなー」と思っているうちに、「飛鳥配列」というものを見つけた。これも親指シフト系の入力方法なのだが、NICOLAとは大きな違いがあった。
NICOLAでは、シフト状態の打鍵をするためには、「シフトと同時に」所定のキーを押さなければならなかったが、この「飛鳥」においては、シフトは「同時もしくは押しっぱなし」でも可だと言うのだ。NICOLAではシフト状態のカナを打つためには、毎回シフトキーも一緒にガシガシ打たなければならないのだが、飛鳥ではシフトは押しっぱなしでいいのだ。こっちの方が扱いやすそうだった。
姫踊子草というソフトを使って実装し、打ち慣れてみると、これが奇跡のように使いやすかった。フィーリングに合うというか、連続シフトのために親指でのシフティングに労力がかからなくなり、指先の打鍵に集中できるようになった。最初に色々誤打鍵を繰り返したは当然だが、それでも、この方式のポテンシャルを感じさせられるには十分だった。
「飛鳥」は、「何より指に負担をかけないこと」を念頭に開発されたのだそうだ。個人の製作であるが、実に十年近くキー配列の試行錯誤を続けていらっしゃったらしい。その成果によって、非常にスムーズな無理のない入力作業が可能になり、実際それまでタイピングに必要だった、「気合」という要素は一切必要なくなった。手を大きく動かす必要がなく、ヌルヌル打っているだけで文章ができていくのである。
まあ、そこらへんは別リンクで(http://shizuoka.cool.ne.jp/izubekkan/asuka.htm)。あと以前はwikipediaにも項目があったのだが、色々な事情で削除されてしまったらしい。逆に不便だ…。
そうして飛鳥入力を実装するために姫踊子草というソフト(キー入力入れ替えソフト「姫踊子草」情報頁)を導入し、さらに猫まねきを使って機能キーの位置を多々変更したおれのキーボードは色々特殊な配置になっている。
1.〈Capslockキー〉が〈ALTキー〉になっている。
2.〈左ALTキー〉が〈エンターキー〉に。
3.〈無変換キー〉が〈左親指シフトキー〉に。
4.〈スペースキー〉が〈SandSキー〉に。
  (スペース押下時にはシフトと同じ機能をし、放した瞬間にスペースとして認識される)
5.〈変換キー〉が〈右親指シフトキー〉
6.〈カタカナひらがなキー〉が〈BackSpaceキー〉に。
その他文字キーに関しては、無シフト・左シフト・右シフトに応じたカナ・記号が配置されている。
さて、ここまできて、「飛鳥配列」の入力方式は、非常に扱いやすく、一度経験したらもうこれ以外の日本語入力は考えられなくなるということは断言できるが、だからといって人に勧めるのはなかなか困難がある。
・まず色々設定が面倒だ。
この時点でやる気をなくす。
・そして新たにタッチタイプを、しかもシフト2種類の三面分覚えなければならないというコストはバカにならない。
 これに関しては、最初は間違いなく苦労する。覚えるのが少し大変なのだ。
以上の理由により、多少の興味関心を持った方でないと、ここまでやることはお勧めできない。素人にはお勧めできない、というヤツだ。まあ、猫まねきを使って多少機能キー周りを使いやすくする程度は万人に有用だと思うけど。